notionの譜面の音符入力や編集作業で必要な基本操作をご紹介します。
カーソル
音符・休符の入力をするにせよ、編集するにせよ、まず知っておかなければならないことの一つに、notionの特殊なカーソルがあります。通常のカーソルは矢印(ポインタとも呼びます)ですが、notionには専用のカーソルがあります。それは「ミュージックカーソル」というものです。入力パレットで必要な記号を選ぶと、その名称がカーソルになり、それを任意の場所へ位置させることで入力することができます。下図の例では、入力パレットの「メトロノーム記号」をクリックして表示される「ミュージックカーソル」です。

このカーソルは記号か文字です。設置方法は、記号によって異なりますので、それぞれの解説ページで確認してください。
もう一つ、カーソルとは想像し難いかもしれませんが、notionで「マーカー」と呼んでいるカーソルがあります。これは色の付いた縦長の帯で、全てのパートの同じ拍をつないでいます。色により機能が異なります。

「再生マーカー」と「ヴァンプ・マーカー」はNTempoモードで使われるマーカーです。編集モードでは、マーカーは必ずグレーの帯です。そして黄色になっているパートが、現在編集対象になっています。
編集モード
notionの譜面を編集するには、必ず編集モードになっている必要があります。ツールボタンの「指揮者ボタン(NTempoモードボタン)」が灰色になっていれば「編集モード」状態です。

また「編集モード」になっていると、五線をクリックした時に、垂直にグレーの帯が表示されます。

編集対象を決める
音符・休符や記号類を編集するには、まず選択して編集モードにしなければなりません。対象によって選択方法が異なります。
部分選択〜ハイライト表示
連続した音符・休符を選択するには、
- カーソルがポインタになっている状態で、
- 編集したい最初の音符をクリックします。
- そのままドラッグして、終了地点でマウスのボタンを離すと、選択された部分がグレーでハイライト表示されます。
- もしページをまたぐなど、広範囲に選択したい場合は、開始点から数拍分をハイライトさせ、「シフトキー」を押しながら、終了地点をクリックします。
- もし全小節を選ぶのであれば、ショートカット〈 Win : Ctrl + A / Mac : ⌘ + A 〉を使ったほうが素早く行えます。


このように、マウスを離す位置によって選択される範囲が異なります。透明の枠は編集対象にはなっていません。〈 Win : Ctrl / Mac : ⌘ 〉 を押しながら、これらの枠内をクリックすると「ハイライト→枠のみ→ハイライト→枠のみ」と切り替わり、編集対象を変えられます。
ショートカットを使うと、選択範囲を広げられます。選択範囲をハイライト表示にした後に、〈 Win : Alt / Mac : option 〉キーを押しながら矢印キーを押すと、左右矢印で同パートの範囲拡大、上下矢印で他パートへの拡大をすることができます。
このショートカットに「シフトキー」を加えると、範囲拡大は小節単位になります。
1小節だけを選ぶのであれば、小節内をダブルクリックすればハイライト表示されます。
特定のパートを最初から最後まで選択するのであれば、〈 Win : Shift + Ctrl + A / Win : Shift + ⌘ + A 〉
個別選択〜オレンジ表示
音符・休符だけでなく、各種記号類も選択できます。
単一の対象を選択するには、それをクリックするだけです。編集対象となり、オレンジ色に変わります。
連続していない音符・休符のいくつかを選ぶには、「シフトキー」を押しながら、それぞれをクリックします。

カット・コピー・ペースト
いかなる方法であれ、編集対象として選択したものはすべて、「カット」「コピー」「ペースト」を行えます。
- カット(切り取り):メニューバーの[編集] – [カット]を選ぶか、ショートカットの〈 Win : Ctrl + X / Mac : ⌘ + X 〉を使います。編集対象は切り取られ、別の場所に貼り付ける(ペーストする)ことができます。
- コピー:メニューバーの[編集] – [コピー]を選ぶか、ショートカットの〈 Win : Ctrl + C / Mac : ⌘ + C 〉を使います。編集対象はそのままの状態を保ち、別の場所に貼り付ける(ペーストする)ことができます。
- ペースト(貼り付け):「カット」または「コピー」した内容を指定の場所へ配置することができます。メニューバーの[編集] – [ペースト]を選ぶか、ショートカットの〈 Win : Ctrl + V / Mac : ⌘ + V 〉を使います。
- 挿入貼り付け:通常の貼り付けでは、そこにあったものが上書きされますが、「挿入貼り付け」を行うと、上書きされずに済みます。
- メニューバーの[編集] – [ペーストして挿入]を選ぶか、ショートカットの〈 Win : Shift + Ctrl + V / Mac : Shift + ⌘ + V 〉を使います。
削除とクリア
音符・休符や記号類を消すには、3通りの方法があります。
消去
これは選択した範囲の内容をすべて削除しますが、小節の構造には影響を与えません。下の譜例のように、3小節にわたって消去すると、指定した範囲の内容は全て消えています。しかし、1小節目の3-4拍はスペースが縮んでいますが、存在しています。そして、3小節は1-2拍の内容が消えた分、その後のデータが前倒しになって詰められています。

もしこうした「詰まり」を避けたければ、選択範囲を小節単位にすることです。
削除
このメニューを実行すると、空の小節自身も削除されます。上例を[削除]してみましょう。2小節目が完全になくなっていることがおわかりでしょう。メロディーのB音が1拍目に重なっているのはプログラムのバグだと思われます。行き先を見失ったスラーはそのまま残っていますが、これは簡単に消せます。

選択した項目のみ消去
notion6には、音符・休および和音データは残して、それ以外の要素を指定して消去する機能があります。メニューバーの[編集]-[選択した項目の消去]を選ぶか、右クリックメニューで[編集]-[選択した項目の消去…]を選ぶと、次のようなダイアログボックスが現れます。

次の譜例では「ペダル記号」にチェックを入れて実行した結果です。

一時的な要素の非表示
もし編集中に妨げとなる記号類があれば、一時的に隠しておくことができます。対象をクリックして、また複数の場合はシフトキーを押しながらそれぞれをクリックしてオレンジ色に変えます。メニューバーの[編集] – [隠す]選択すると、画面から消えます。
再び表示するにはメニューバーの[表示] – [隠れているアイテムを表示]を選びます。
編集モードでの再生
このオプションでの再生では、notionがメトロノームテンポを基準に行います。もしメトロノーム店舗を設定していなければ、♩=90で再生します。
これはCD再生同様、お好きな小節から再生を開始し、どこでも停止でき、再生開始小節(もしくは先頭)に戻ることができます。
全パートの再生
操作方法はどのモードでも変わりません。
- 再生を開始させたい場所にマーカーを移動させます。
- 再生ボタン
をクリックするか、スペースバーを押します。
- ミキサーを使って、全体の音量、各パートの音量・パン・ソロ/ミューチオの設定を調整できます。
- 任意の場所で止めるには、停止ボタン
をクリックするか、「エスケープキー」を押すか、スペースバーを押します。再び再生ボタンまたはスペースバーを押すと、最後に再生した音を繰り返して再生を再開します。
- 巻き戻しボタン
をクリックするか、「バックスペースキー」を押すと再生を開始した地点に戻ります。2回押すと、楽譜の先頭に戻ります。
特定のパートのみの再生
編集モードで、特定のパートのみを再生したい場合、ミキサーで再生したいパートを「ソロ」に指定するか、聴きたい小節やパートのみをハイライト表示させます。
インジケーター
再生マーカーは、選択したページビューで進行していきます。再生マーカーがページの右端に達すると、次のページに切り替わります。
ルールバーにはタイムコードのカウント値「時:分:秒:フレーム(1秒間に30フレームを設定した場合)」が表示されます。ヘッドアップディスプレイを表示させると、さらに詳しい情報が得られます。タイムライン上でのマーカーも同時に位置情報を示しています。
テンポの調整
再生中に、制約はあるものの、リアルタイムでテンポを調整できます。上矢印▲を押すと押すとテンポが上り、下矢印▼を押すとテンポが落ちます。NTempoでの調整ほど正確ではありませんが、1クリックで「約4〜5拍/1分間」分変更されます。
再生に関するショートカット
- 再生を開始→「スペースキー」を押す
- 再生を止める→「スペースキー」/「エスケープキー」を押す
- テンポを増減する→▲▼キーを押す
- 再生停止後;
- 再生開始位置に戻る→「バックスペースキー」を押す
- 楽譜の先頭に戻る矢印→「バックスペースキー」を2回押す/「Home」を押す
- マーカーを音符単位で移動→◀︎►キーを使用
- 次のリハーサルマークへ移動→ショートカット〈 Shift + ] 〉(リハーサルマークがなければ、楽譜の最後へ)
- 前のリハーサルマークへ移動→ ショートカット〈 Shift + [ 〉(リハーサルマークがなければ、楽譜の先頭へ)
- ループさせる;
- 楽器を選択し、ループする最後の小節をマウスでクリック。
- 〈 Shift + Space 〉を押してから、〈 ◯R 〉を入力。◯にはループさせたい回数を使用。
- 「◯」と「R」の入力時間差によってテンポを設定
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